「朝9時10分までにしっかり儲ける板読み投資術」書評レビュー
今回は朝9時10分までにしっかり儲ける板読み投資術のレビューです。
著者は株式界隈で著名なBコミこと坂本慎太郎さんです。本での肩書きはこころトレード研究所所長となっていました。
本に記載のプロフィールはこちらです。
サラリーマンでもできるデイトレ術?
本の帯には、毎日わずかな時間でも月収100万円は実現する!とあります。しかもサラリーマンでもできるデイトレ術とのこと。
本は株の注文状況を示す板情報を読み解くテクニック、通称板読みに関する本です。
月収100万円とは本当に実現できるのでしょうか。見てみましょう。
板は最速
Bコミさんは本の中でこう述べています。
短期トレードを行っている人にとっては、板情報の読み方さえ理解すれば、他のテクニカル指標の見方など知らなくていいと言っても過言ではない
板には、チャートよりも早く株価の動向を示すサインが現れるのです。
移動平均線や一目均衡表、MACD、RSIなど、テクニカル指標には、さまざまな種類がありますが、そのどれよりも早く、株価のほんのすこしの先の未来を先読みできるのが板情報なのです。
しかも、この板読みは日本の株式市場だからという前提があるようです。
日本の証券市場は「取引所集中の原則」がまだ生きていて、大半の株式の取引は、東京証券取引所に集中しています。ざっというと9割以上が東京証券取引所に集まっているといっても過言ではないでしょう。
アメリカの証券市場になると、もちろんニューヨーク証券取引所は存在するのですが、同時にさまざまなPTS(私設証券取引所)が存在して、さまざまな取引が行われています。取引所間の裁定取引を行う人もおり、板がきちんと需給を表してない場合もあるのです。
(中略)
板読みは日本だからこそ通用する取引手法であり、私たち日本の投資家は、それを存分に活用して儲けられる立場にある僥倖を、噛み締めるべきでしょう。
胸がワクワクするセリフですね!
Bコミさんの半生
第1章では、Bコミさんが株に注目したきっかけ(なんと幼稚園児の頃!)から、ディーラー・ファンドマネージャーになり、現在の地位に至った半生が綴られています。
興味深い経歴をされており、当時の先輩ディーラーの投資テクニックなど、いくらか皆さんの投資の参考になるような情報も多数載っています。
Bコミさんの先輩に、「薄い買い板の銘柄ばかり選んでいる人」がいた。通常はこういうことは、株価が下げに転じた時に、逃げられなくなるリスクを抱え込むため行わない。
先輩いわく「板が薄いから誰も売ってこないんだよ」とのこと。買い板が薄くて逃げにくい銘柄だから、誰も売らないので株価が安定している。
時々投げ売りの成行売りをしてくる投資家もいるが、それで株価が下げた時には、単なるイレギュラーによる売りだから、買えば良い。
(一部文面編集しました)
説明はちょっと曖昧
この本では全体的に、説明が少々曖昧です。
例えば、機関投資家には「買いを入れるアルゴリズム」と「儲けたいアルゴリズム」の2つがあるようなのですが、それぞれどのように板情報に反映されるかの説明が非常に曖昧で全く理解できませんでした。
厳密な説明を求める方には、この本は不向きかもしれません。
慣れと練習
Bコミさんは本の中で、板に慣れること、練習、繰り返しの大切さを述べています。
また、練習でオススメできるのが同値売買とのこと。つまり買った価格で売ることです。
これは実際にやってみるとわかるのですが、大概の人は小さいとは言え損失がどんどん積み上がっていきます。意外と同値売買は難しいのです。
この練習をひたすら繰り返して損が出なくなったら、実戦でかなりをリターンが残せるようになるはずです。
そして、ポンと株価が上昇した時に売って利益確定させるものだけを残していけば、自然と利益が積み上がっていきます。
練習する時間帯と銘柄
そして、この同値売買を練習する時間は午後1〜2時くらいの株価があまり動かない時間帯が良いようです。
また、でき高が最低でも3,000単位以上あるものを選ぶべきとのこと。
強い板を見つけたらとりあえず買ってみる
板読みでトレードをする場合、財務諸表を読むことも、将来の業績予測をすることも一切必要ないと言い切っています。Bコミさんは0.5秒で判断するようです。
買い板が厚くて売り板が薄い、強い板の銘柄が目に入ったら、それだけで反応して買いを入れる。
もしあてが外れても、買い板が厚いので売りたいと思った時にいつでも売ることができます。
これが本書の大きなテーマでもあるのですが、板を先読みすれば、それだけ小さいリスクでリターンを得ることが可能になるのです。
朝9時からの10分で稼ぐ方法
さて、肝心の10分で稼ぐ方法です。詳しい手法はさすがに伏せますが、一部がBコミさんへのインタビュー記事に載っています。
まず、毎朝場が開く前の8時台にリストに挙げた200銘柄をチェックして、強い板を見つける。そして、場が開く直前の8時55分くらいに、精査した銘柄に対して確実に買える株価で「寄り付き条件」で発注する。
無事に買えた場合は、売りの機会を探す。買えた瞬間に上の売り板がつけば、値幅を取りに行ける。買い気配が上に切り上がっていた場合でも、深追いはせず9時10分には利益を確定。逆に、売り気配が購入した株価に迫ってきた場合は、同値もしくはそれに近い株価ですぐに売却したい。
「サラリーマンにもできる」と宣伝文句がありますが、実際にサラリーマンが行うのはなかなか厳しいでしょう。(そもそも、9時以前に始業の会社も多いですしね)
この手法では200銘柄の板を8時から眺める必要がありますが、朝8時から板を眺め続け銘柄を探し、9時10分に売り抜けるのを仕事前のサラリーマンが行うのは、なかなかキツいものかもしれません笑
他にも参考になったこと
OVERとUNDERを気にするのは無意味
Bコミさんは、板情報のOVERとUNDERを気にするのは全く無意味と述べています。板情報で大事なのは株価の上下7本とのこと。
板読み投資で成行注文はしない
板読み投資は、この価格で買い、この価格で売るということを明確に定めたトレードを行うので、成行注文にする必要がありません。
逆に、この株価で買おうと思っていたのに、その注文が成立しない場合は、むしろエントリーしないほうがいいと言うくらいに考えて良いとのこと。
何よりも、成行で注文を入れたりしたら、想定より安く約定してしまう可能性があり、非効率なので、そもそもデイトレーダーにとって成行注文は適していないのです。
Bコミさんも使うトレードステーション
本の中で、Bコミさんはマネックス証券のトレードステーションを使用していると述べています。
トレードステーションについてはこちらの記事もご覧ください。
トレードステーション:手数料も最安レベル!無敵の株取引ツールの紹介・使い方
また、フル板情報の見方はトレードステーションのフル板情報、マトリックスの見方という記事も参考になります。
トレードステーションの口座開設
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