株価のランダム・ウォークって何?Excelで確かめてみる

たまに「株価はランダム・ウォーク」という文言を見かけます。

つまり、株価はランダムに動いていて、上がる確率も下がる確率も半々、という理論ですね。

一体どういうことなのでしょうか。Excelを使って試してみました。

ランダム・ウォークとは?

Wikipediaには参考例として、このような説明があります。

コイントスにおいて、コインを投げて「裏と表が出る確率」は、共に二分の一である。

数直線上の点について、コインを投げて表が出た場合に点を右(正の方向)に進め、裏が出た場合に点を左(負の方向)に進める試行(1次元のランダムウォーク)を無限回繰り返した場合に、点がある位置に存在する確率は正規分布で示される。

正・負のそれぞれの領域に半々ずつ点がいる確率よりも、どちらかの領域に多くいる確率の方がはるかに高い結果となる。

これ、なんとなく株価と似ています。少し変えてみて、「コインが表なら株価を+1、コインが裏なら株価を-1とする」という風に変えて、実際にExcelで試してみることにします。

Excelでの計算

Excelにはランダムに0以上1未満の値を出すRAND()という関数があります。

このRAND()が0.5未満ならコインが裏、0.5以上ならコインが表と見なしてみましょう。

A1からA1000セルに=RAND()と入力します。

隣のB1からB1000セルには、=IF(A1<0.5,-1,1) と入力します。

更に隣のC1からC1000セルには、B1からB1000までの総和を出してみます。

結果は?

最後に、C1からC1000までの数値を折れ線グラフにしてみます。その結果がこちらです。

どうですか、上昇トレンドを描いている株価っぽくないですか?笑

なんとなく、トレンドラインも引くことができます笑

このグラフをちょっと変えてみたら、今度は日経平均ぽくなりました。

金融工学などで有名なブラック・ショールズモデルなどでも、株価は「ランダム・ウォークする」と見なされているようです。

実際にランダムウォークさせたグラフは、本当に株価のように見えてしまいます。

中学生や高校生のときに「コインを投げて表なら+1、裏なら-1とするゲームをした時、期待値は±0だから最終的には0に収束する」なんて習ったような気がしますが、その過程ではこのように株価のような図形が描かれてしまいます。

麻雀をやる方、よく「風がきた!」と感じることありませんかね。好ツモが続き、高い手がドンドン和了れてしまう。あれもランダム・ウォークで説明がついてしまいます。

確率は半々でも、上記グラフのように「一方的にどんどん上がる」ときがあります。その時こそが「風が吹いている」ときなのです。

相場で勝つ確率はポジションサイジングにある

よく言われる言葉ですが、相場には「上がるか下がる」しかありません。

上記グラフからも、なんとなく「株価の動きはランダムである」ということが分かりました。

では、ランダムな動きをする相場の中でどうやったら勝てるのでしょうか?その答えはどうやらポジションサイジングにありそうです。

つまり、「きちんとポジションの量を管理すること」です。

破産の確率

「破産の確率」という有名な問題があります。

ここに、勝率60%の勝負があるとします。◯万円賭けて、買ったら倍の金額が、負けたらリターンなし、の勝負です。

例えば、100万円持っているとき10万円を賭けて、買ったら資産が110万円になります。負けたら90万円になります。

このとき、あなたはいくら賭けますか?

 

この勝負、勝率60%なので続ければ続けるほど勝ちそうです。しかし実際は、ポジションサイジングを間違えると破産します。

確率計算をしてみると、1回の勝負に総資産の40%の資金を賭けると、100%破産します。

ですが、総資産の10%しか賭けなければ、破産確率は1%もありません。ぜひ計算してみてください。

そう、有利な勝負であったとしても、賭ける量を間違えると破産します。ですので、勝率半々の株の世界では、なおさらポジション量に気をつけないといけません。

ポジションサイジングに気をつけろ、というのは、どの株の本にも書いてありますしね。(もちろん、全額賭けてもきちんと勝てればいいのですが、笑)

 

言うまでもないことですが、株やFXで破産した人は大勢います。しかし、そういう人は大抵ポジションの量を間違えています。

みなさんぜひ、ポジション量には気をつけましょう、というお話でした!