企業型確定拠出年金の脱退一時金の請求手続きをして受け取ってみた話

2016年12月13日

確定拠出

今回、友人から貴重な話を頂戴したので、ここで執筆してみます。

彼は以前まで会社員をしており、その会社で企業型の確定拠出年金を導入していました。

こういった場合、退職後に積み立てた企業型確定拠出年金を脱退し、今まで運用してきた額を脱退一時金として受け取ることができる場合があります。

今回は、その話をここで記載します。

企業型確定拠出年金の脱退ができる条件

確定拠出年金のある企業を退職したとき、条件を満たす場合には脱退ができます。

その条件とは、下記のとおりです。

  1. 60歳未満である
  2. 確定拠出年金 企業型の加入者でない
  3. 確定拠出年金 個人型の加入者となる資格がない
  4. 障害給付金の受給権者でない
  5. 通算拠出期間が1ヶ月以上3年以下、または、脱退一時金請求日の前月末の積立金が50万円以下であること
  6. 加入者の資格喪失日から2年経過していないこと

この条件は、太字の部分「個人型の加入者となる資格がない」という部分が重要です。

この資格がないとは、以下のような人が該当します。

  • 転職先で厚生年金保険に加え、企業年金制度(厚生年金基金、確定給付企業年金)の対象者となっている方
  • 国民年金第3号被保険者の方(厚生年金保険の被保険者となっている配偶者の扶養に入っている)
  • 公務員や私学教職員の方(共済組合の組合員および私学共済制度の加入者)
  • 国民年金の第1号被保険者(自営業など)で、
    ・保険料の全額または一部の納付が免除されている方
    ・学生納付特例または若年者納付猶予を受けている方
    ・海外に居住したことにより、第1号被保険者資格を喪失した方

友人は、1〜6の条件を満たしておりました(自営業になり、かつ国民年金は全額免除になった)ので、この脱退一時金を請求することにしました。

会社を退社した場合には、簡単に国民年金が全額免除になりますので、同じような状況の方は多いかと思います。

 

ちなみに、③の条件を満たさなくても、一旦個人型確定拠出年金に入って運用指図者(つまり、新しくお金を積み立てないで、今まで積み立てたお金だけで運用する人)になって2年経った後、2年以内に下記どちらかを満たせば手続きできる可能性があるらしいです。大変面倒ですね、、

  • 積立金が25万円以下
  • 通算拠出期間が3年以下

なんにせよこの制度は面倒なので、迷った場合は手元の郵便物にあるコールセンターに電話するのが良いと思います。

脱退手続き

さて、脱退手続きをするためには、これまた大変面倒なのですが、まずはどこかの個人型確定拠出年金を扱っている金融機関に連絡する必要があります。

このとき、連絡するのはどの金融機関でもOKです。どの金融機関でも手数料は変わらないので、特に悩む必要もありません。

おそらく手元の郵便物に電話番号が書いてあるので、そちらに電話して「脱退手続きしたいです」と相談すればOKです。

参考までに、友人は下記のはがきを頼りに三菱東京UFJ銀行に電話したようです。

確定拠出

コールセンターに電話

コールセンターに電話した所、手元のはがきを見ながら下記のようなことを聞かれたようです。

  • 年齢は?
  • 通算加入期間は?
  • 以前の確定拠出年金の資格喪失日は?
  • 現在はどのような年金状況か?
    →国民年金の免除であることを説明
  • 障害者であるか?

以上の話をコールセンターの方にした所、書類を送るので返送して、と言われたようですね。

返送書類到着

しばらくすると、このような内容の封書が届きました。なんと封筒の封が空いた状態でポストに入っていたらしいです。

確定拠出年金

返送内容としては下記の4種類です。

  • 以前の確定拠出年金の情報や、振込先口座を書いた書類(下の写真が記入例)に記入
  • 住民票を添付
  • 国民年金が免除になったことを確認できる書類のコピーを添付
  • 企業型確定拠出年金の加入者でなくなった事を示すはがきのコピー

入金には2〜3ヶ月半かかるらしいです。大変遅いですね。。

手数料は4,104円かかります。

しかも、会社を退職してからかなりの期間(資格喪失日の翌月から半年)が経過していると、更に手数料が引かれています。

この半年が経過しているかどうかは、電話して確認するのが早いと思います。

書類

あとは書類を返送してみましょう。

書類を返送したらどうなる?

3ヶ月ほどすると、積立金が振り込ます!友人も、無事にお金を受け取れたようです。

確定申告のお話

さて、今回のように脱退一時金を得た場合、これは確定申告でいう「一時所得」になります。

そして、一時所得は年間50万円を超えたら確定申告をしなければなりません。

今回の場合、脱退一時金は50万円以下なのでこれ単体では確定申告で申告しなくてもOKかと思いますが、

他に一時所得がある場合には(なにかの賞金をもらった!等)、足し合わせて50万円を超えたら注意が必要です。

マイナンバーの話

この封書の中に、「マイナンバー」に関する書類も同封されていました。「マイナンバーの書類が必要かも?」と書いてあります。

マイナンバー

「どんな人がマイナンバー書類が必要なの?」と電話して聞いてみたところ、「金額が100万円以上になる人」とのことです。

脱退一時金は50万円以下でないと受け取れないので、そんな人はいないと思うのですが、、謎ですね。友人もマイナンバーは提出していないようです。