「EasyLanguageプログラミング入門」書評レビュー。初心者に向けて納得の1冊!

2016年夏にトレードステーションが日本に登場して早2年。
ユーザー数は1万人を突破し、Twitterなどでトレードステーションに関する情報交換も多く行われるようになってきました。
そんな中、トレードステーションを動かすためのプログラミング言語「EasyLanguage」についての入門書籍が、2018年6月19日についに発売されることとなりました!
本のタイトルは「EasyLanguageプログラミング入門」著者は数々のトレードステーション・EasyLanguageのセミナーを数多く開催されておられる、インディ・パ株式会社の本郷喜千(ほんごうよしゆき)氏です。
本記事では、早速発売日当日にこちらの書籍のレビューをさせていただきます!
まさに入門者向けの1冊
Amazonで注文して、私のもとに発売日当日に到着した「EasyLanguageプログラミング入門」。
まず驚いたのが、本の大きさと厚さでした。前回の書籍が割と薄めだったので、「今回も薄い書籍が来るのかな」と勝手に想像していたところ、完全に期待を裏切られました。(マネックス証券様すみません😂)
本の大きさはB5サイズで、ページ数は300ページ超です。紙質もしっかりとしていて、本格的なプログラミング書籍の体裁を成しています。
7章構成でボリュームたっぷり
「EasyLanguageプログラミング入門」は、全部で7章の構成です。それぞれの章は、このくらいのボリュームがあります。
章 | 章タイトル | ページ数 |
---|---|---|
第1章 | 概要 | 10 |
第2章 | エディタ | 42 |
第3章 | 基本構造と構成要素 | 34 |
第4章 | 基本文法 | 49 |
第5章 | 分析テクニック | 55 |
第6章 | ストラテジー | 70 |
第7章 | 自動売買 | 18 |
その他 | 著者挨拶、索引、付録など | 26 |
EasyLanguageホームスタディコースでもここまでのボリュームはありませんでしたので、本の登場をずっと待っていた方も納得の内容だと思います。
ざっと、それぞれの章の概要をレビューしてみます。
第1章:概要
第1章では、トレードステーションやEasyLanguageの歴史や特徴、機能等について解説しています。
この章の最終ページに、著者がお勧めするEasyLanguageの実践的な独学法について説明しています。入門者の方にとっては、勉強法の良い指針になるかもしれません。
第2章:エディタ
第二章では、EasyLanguageを効率よく記述していくために必要なエディタ(トレードステーション開発環境)について説明がされています。具体的にエディタの起動方法から使い方、画面の説明などを行っています。
また、EasyLanguageで利用することができるデータの種類や、そのデータの確認方法についても述べられています。
第3章:基本構造と構成要素
第3章から、いよいよ本格的なプログラミングについての話が始まっていきます。
プログラムの実行タイミングの話から、EasyLanguageの記述に不可欠な予約語・変数・関数、プログラムの記述に必要な各種の記号や演算子などについて説明されています。
最大参照足数(MaxBarsBack)について、4ページにわたって解説があるのも良かったです。私がEasyLanguageを学習し始めた当初、非常に理解に苦しんだのが最大参照足数でした。
第4章:基本文法
続いて第4章では、EasyLanguageの具体的な各種命令・関数・変数、分岐・反復処理等について解説されています。
if文・for文・while文はプログラムを記述する上で絶対に避けては通れない文法ですが、懇切丁寧に解説されています。具体的な銘柄を用いて、実際に簡単なインジケーターを描画しながら学習していくので、初心者にとっても理解がしやすくなっています。
変数の説明箇所では、しっかりとIntrabarPersistについて解説がされているのも素敵なポイントでした。
第5章:分析テクニック
前章までで学習してきたEasyLanguageの文法を用いて、この章では各種の分析テクニックを構築していきます。
トレードステーションでの分析テクニックには、インジケータに加えて、ペイントバーやショウミーなど、銘柄の分析に役立ついろいろな指標があります。これらの記述方法が、コードとともに説明されています。
例えばインジケータでは、RSIやストキャスティクスなどの有名なインジケータに加えて、サイコロジカルラインや練行足などのマイナーなインジケータの記述法についても解説されています。
有名どころのインジケーターはトレードステーションにデフォルトでインストールされていますが、あえてその記述方法を学ぶことで、基本文法の使い方を深く理解し、理解度を上げて応用していく、と言う手法のようです。
第6章:ストラテジー
さて、本書籍で最も多くのページ数が割かれている章、「ストラテジー」です。ストラテジーとは自動売買プログラムのことで、この章を理解したあなたはついにEasyLanguageで自動売買プログラムが書けるようになりますね。
もちろん、ストラテジーを記述することで、自動売買に役立てるだけではなく、トレード戦略の検証などにも役立ちます。
具体的な売買文の書き方や、自動売買をする上で欠かせないポジション管理や時間管理等の説明があります。足中に売買を行うIntraBarOrderGenerationについての説明もあって安心しました。
サンプルストラテジー
この章の最後にはサンプルストラテジー集が掲載されており、11のストラテジーがソースコードとともに掲載されています。
ダウ平均のデータをもとに日経平均を売買するストラテジーだったり、異なった足種のデータをもとに売買するマルチタイムフレームの戦略、移動平均の逆張りなど、応用ができそうなストラテジーが説明されています。
第7章:自動売買
第6章までで、自分の力で自動売買プログラムを記述することができるようになりました。第7章では、実際に自動売買を行っていく方法について説明されています。
ストラテジーを最適化するでする上で欠かせないバックテストや最適化の方法、資金管理等についても説明されています。
総評
なかなかボリュームのある書籍で、基本から少々の応用まで幅広く解説されている、良い本だと言う印象を受けました。私がざっと読んだところ誤植などもなく、初心者の方は満足のいく本だと思います。
もちろん、EasyLanguageはプログラミング言語なので、まったくの初心者が理解するには時間と労力がかかると思います。しかし、この本はEasyLanguage学習の良い手助けになってくれるでしょう。
本書はあくまで入門書籍であるため、オブジェクト指向EasyLanguage:OOEL(Object Oriented EasyLanguage)については解説されていません。この本を理解して次のステップに進みたい方は、EasyLanguageオブジェクトホームスタディコースを読んでみるのが良いと思います。
自分オリジナルのインジケーターを作りたい。自動売買をしてみたい。そのためにEasyLanguageを学習してみたい方、まずはこの1冊をぜひともどうぞ!